トマトの害虫
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トマトの害虫
トマトの害虫一覧
タバコガ(タバコガ、オオタバコガ)
ヤガ科タバコガ亜科の蛾の幼虫です。タバコガとオオタバコガという2種類がいます。オオタバコガは外国から入ってきた害虫で西日本での発生が多いようです。文字通り大きいことが特徴です。この幼虫は、トマトの実を食べながら中に侵入し、ひとしきり食べたら出てきてまた次の実を食べていきます。そうやってどんどんと大きくなっていきます。また、実の中に潜んでいるので、鳥や昆虫などの外敵から見を守っていて、天敵による退治も難しいという状況です。
この虫の特徴は、実に直径5mmの穴が1つあくと中にまだいますので、もぎ取って潰してください。2つ開いているともう居ません。穴が開いてもふさがってまた収穫できるようにもなります。家庭菜園なのでそう思って割り切ったほうがいいかも知れません。暑くなる前の梅雨前までがこの虫の全盛期です。また、肥料を多く与えるとすぐにこの虫にやられてしまいます。
せっかくの大きい実がついている1、2段目あたりを食われるとかなり落ち込みます。ピーマンやナスなどにも被害を与えますが、収穫最盛期が時期的に高温になるため、トマトよりは深刻ではないと思います。トマトの路地栽培で一番怖い害虫だと思います。浸透性の農薬を使うと有効なようです。
テントウムシダマシ
その名前からあまりにも有名な20個くらいの星があるてんとう虫です。これは害虫でアブラムシを食べてくれるのではなく、トマトの葉をかじります。葉をかじられたからといって全滅するということはありません。
幼虫も成虫も葉を食べていきます。本来トマトの葉には毒がありますので、普通の虫は食べないのですが、この虫は耐性があるようでおかまいなしでどんどん食べていきます。タバコガは毒が葉より薄い実を選んで食べますので、こちらのほうが良心的な害虫だといえるかもしれません。ただ、この虫にかじられることにより他のウィルスや病気などが感染する可能性はありますので、防除できればいいと思います。
害虫の中では良心的な方だと思います。
コナジラミ(オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ)
近年になってから発生しはじめた害虫で、アブラムシのように茎葉から養分を吸います。これにより株が弱っていきます。あまりにも大発生すると枯れてしまいますが、そこまでのことにはならないようです。
ただ、問題となっているのはウィルス病を媒介するということです。成虫は飛びますので、かなりの広範囲においてウィルス病を蔓延させてしまい、トマトの産地では大きな被害をもたらしてしまいます。できれば、このような害虫は家庭菜園から広がらないようにしたいところですが、この虫の薬剤耐性のものが現れていたりして、農薬も効かなくなりつつあるようです。将来のことを考えると、非常にこわいことです。
ハモグリバエ
エカキムシなどとも呼ばれ、葉に絵を書いたように道筋を残していきながら、葉の内部を食べて成長し続けます。トマトでは直接の被害が大きくなることはないようですが、家庭菜園では、他の野菜などに被害をださないためにも気をつけておくほうが良いかと思います。外に出てこないので、葉の上から潰すか農薬の散布が有効です。とくに葉菜においては致命的なダメージを与えてしまいます。虫が葉の中に入っている状態で食べるかどうかというところで悩んでしまいます。
アザミウマ(ヒラズハナアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ)
トマトにおいては、花の花弁に卵を産み、幼虫は花粉を食べて成長していきます。このため、トマトの実が肥大したときに白ぶくれ症がが発生します。うっすらと白い斑点のように見えます。
熟してもその部分が赤くならないことがあるようです。また、この虫は10日程度で成虫になり、どんどん卵を産み増えていきます。黄化えそ病を媒介します。農薬散布も有効ですが、銀色のシルバーマルチなどを貼るとこの虫がよってこないようです。しかし、個人レベルの家庭菜園では現実的には対処できないといったところでしょうか。どうしてもひどい時は、微生物によりこの虫を倒すという殺虫剤もあるようです。昆虫だけに寄生する菌類を使ったもので、安全性が高いということです。
ヨトウムシ(ハスモンヨトウやシロシタヨトウ)
ヨトウムシは、タバコガと似ていますが、ハスモンヨトウは茶色と黒の蛾の幼虫ぽい見た目でなかなかの迫力があります。本来は夜盗蛾というように、夜活動して食害するのですが、トマトの実を昼間でも食べ続けています。タバコガと違うのは、中に入って食べるのではなく、外側から皮から食べていくようです。穴というよりかじられた跡ができます。
幼虫が居て、黒っぽかったらハスモンヨトウだと思います。すぐに潰さないと、どんどんと大事な実を食べられてしまいます。肥料を控えめにするとあまり食べられないような気がします。おそらく、匂いが発生して虫をおびき寄せているのかも知れません。
しかし、大量発生したら、そのようなこともいってられず、どんどんと食べられてしまいます。農薬散布が有効なようです。じゃがいもの近くに植えてあるトマトが被害に遭いまくったことがありました。そのじゃがいもは根元にヨトウムシがうじゃうじゃといました。葉がかじられたじゃがいもの近くは、トマトを植えないほうがいいかもしれません。
緑色のトマトは毒があり、害虫もあまり食べないのですが、少し薄い色になると食害されます。
わざわざ、新芽のところまで登って行き食害しているヨトウムシ。
おいしいところをわかっているのでしょう。
古い葉は決して食べない、新芽や実といった困るところを食害します。
ハダニ(ナミハダニ、カンザワハダ)
一年を通して繁殖していますが、とくに8月に被害がひどくなります。0.5mm程度の大きさで非常に小さい虫です。この虫に汁を吸われた葉は黄色くなり枯れていきます。実がちゃんとした形にならない場合もあります。ちょうど8月で収穫が終わる大玉トマトはあまり影響は少ないかも知れません。ミニトマトなどで9月以降も収穫する場合などに影響がでるかもしれません。しかし、農薬散布くらいしか防ぐ方法はないと思います。
アブラムシ(ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ)
アブラムシの被害といえば、ウィルス病の媒介が一番重大です。またトマトすすかび病が発生しやすくなります。ほとんど灰色かび病とみためには区別が付きません。アブラムシのような小さいどこにでもいる虫に悩まされるというのは、自然を相手にしていることだからなのかもしれません。完璧な防除などはできないものです。銀色の光るテープやシルバーマルチなどで寄ってこないようにすることは可能なようです。
ナメクジ
ナメクジはあなどれません。トマトの実を食べようとしたら、穴が開いていて、また、例の幼虫だと思って、部分的に切って食べようとすると、ナメクジが入っていました。
夜になるとのその勢いがましますので、暗いところがすきなのでしょう。活動時間は夜のほうが活発です。ベランダや庭の場合は見てみると梅雨時のナメクジには恐怖さえ覚えるほどの数が居ます。
苗を新芽をかじられ、茎を根元から倒され、実まで食害するとは。。しかも、人間にも有害な寄生虫をもっている確率が何%かあるそう、生で食べる野菜にはかなりの驚異です。
また、有機栽培では、菜種油かすはナメクジの餌のようなものです。おびき寄せてしまいます。コーヒー粕は近寄らせない効果があるようですが、発生数が多ければ、コーヒー粕の上を這いずって歩いてきます。
戦後を境に日本にいたナメクジは外国から入ってきたチャコウラナメクジという種に入れ替わってしまいました。外来種の勢いはすごいものです。アメリカザリガニ、ブラックバスなどといい、問題になっています。
しかし、この害虫のいきおいをみていると、その繁殖力、食欲により、在来のナメクジを駆逐したのもうなづけます。こういうものは一度、広まってしまったらもはや、手遅れということです。こういうものは農薬など人為的に退治する方法でもいたしかたないような気がします。
リン酸第二鉄水和物を使ったかなり安全性の高い退治薬もあるようです。これは自然の土壌中にも存在する物質ということのようで、安全性も高いようです。有機JASでも使用できるようです。(農薬の正確な情報はその時点で販売者に確認してください。)
それまでは、誤飲してしまうと害があるという農薬ばかりだったのですが、こういうのがあると助かります。たしかにナメクジは塩でも消えてしまいます。それほど強い毒性のある薬が必要だとは思いません。そういうできるかぎり安全な薬が出ていないか確認して使うことを考えるといいと思います。自然農薬で食品などで害虫が逃げるというものもありますが、その1つのビールでナメクジを退治できるというものは、これと似たようなアルコールの分解物質である、二日酔いの原因物質で退治する農薬がありましたが、食品野菜への使用が禁止になったようです。
これはビールが危険なのか、農薬に対する規制が厳しいのか?どちらなのでしょうか?
*細かい情報は間違っているかもしれません。