トマトの病気
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トマトの病気
おもなトマトの病気
葉かび病
トマトの病気で比較的多いものには葉かび病というものがあります。この病気は比較的頻繁に目にすることがあるかと思います。症状としては、まず葉っぱに黄色い点状に薄くなった部分が現れ、それが斑点状に発生し、次第に大きく広がって行きます。トマトの葉の表面は黄色く、裏側は少し薄く茶色がかっています。また、葉下の方から発病していくことが多いようです。
この病気が進行すると徐々に葉がかれていきます。しかし、家庭菜園においては発生する条件としては梅雨の前の一時期に集中していると思われます。この病気の原因は多湿と二十度位の温度だということです。ビニールトンネルなどをしておくと湿度が上がりすぎて、この病気に感染するようです。とくに株が弱っているようなときにはかかりやすいので注意が必要です。湿度は95 %以上で温度は20から25度位の温度を好みます。露地栽培で温度が充分に熱くなっていれば、あまり心配することは無いかと思います。もしこの病気にかかったら、葉を取り除くか農薬の散布が有効です。
灰色かび病
灰色かび病というものがあります。この病気はトマトにとってかなり深刻な症状をあらわします。これは葉かび病と似ているようで同じようにカビによるものなのですが、この病気にかかると葉だけではなく茎やトマトの実までダメになってしまいます。灰色かび病にかかった部分は文字通り灰色のカビがたくさん発生しています。また茎などに発生すると茶色く枯れたようになってしまいます。この病気に感染した実は大きくならずに、色が薄黒くなって腐ってしまいます。
またこの灰色かび病の原因菌は20度程度の温度と多湿を好むようです。また株から株へドンドンと伝染して行くようです。農薬の散布が有効だと思われます。しかしこのようなカビに侵入されてないような強い状態にトマトを保っておくことがいちばんの予防法です。予防法としてはあまり密植栽培をしないで、株間をよくあけて蒸れないようにすることくらいです。ハウス栽培で多発する病気で、露地栽培では発生の確率は下がるようです。
すすかび病
高温多湿で発生します。葉にカビのような灰色の病斑できます。表だけでなく裏にも広がっています。被害としては葉が枯れていくことです。時期によっては致し方ないのかもしれません。
根腐病
文字通り根が茶色くなって腐っていく病気です。かかると、葉が黄色くなっておちていき、次第に株が枯れてしまいます。
萎ちょう病
下の方の葉が昼間萎れて、夜になると回復するを繰り返し徐々に枯れていき次第に株が枯れてしまいます。土壌中でこの菌は生息し続けるため、耐病性のある接木苗を使うぐらいだと思います。
半身萎ちょう病
これも土壌中に存在し、トマトの道管を破壊する病気です。こちらは症状が一部分に発生し始め、進行が遅いのが特徴です。少し成長が遅れているなと思ったらこの病気かもしれません。萎れるのも葉の小さい葉の一部分だけからです。
青枯れ病
青枯れ病はトマトが葉や茎が水をあげているのにしおれてきてしまう病気です。また、このまま枯れ死してしまいます。有効な対処方法はなく、その株を抜いて捨て去るしかありません。この病気は感染しますので、畑の外に持ち出して捨てるべきです。青枯れ病の病原菌は土の中に存在しています。
地温が20度を超えると発病し始めるため、暖かくなってから急に株が萎れるということが起きるようです。この病気は連作障害の一つで、土壌のなかで菌が発生して根が痛んだりしたところに感染して、そこからカブ全体に広がっていきます。化成肥料などで根やけした時は、かかるかもしれませんので注意が必要です。大抵の接木の苗では耐性があるようでほとんどかかりません。また有機栽培によって大幅にかかる確率を減らせるようです。
軟腐病
この病気にかかると株全体がしおれてきて、徐々に枯れていきます。茎は茶色くなり、光沢を失い、実は青いまま腐って悪臭を放っていきます。この病気にかかった茎は中が空洞になっていきます。トマトが元気がなくなり枝が茶色くなってきて中が空洞になっていたらこの病気の可能性があります。
また、葉や茎の傷から感染するため他の株にうつるかもしれませんので、ハサミの使い回しや、虫が媒介しないように注意が必要です。これも土壌中で増殖する細菌で雨によって土が跳ね上がったり、また根が痛んだ所から感染したりします。トマトの苗を植える時に深くすぎたりすると、根の先端が腐ったりすることがあります。このような時はこういった病気にかかりやすいので注意が必要です。この病気の発生は高温多湿の状況下で非常に多くなります。また窒素肥料が多過ぎると,この病気にかかる可能性はさらに高まります。
黒斑病
葉の縁にそって、黒褐色の斑点が発生して徐々に枯れていきます。実に発生すると黒く変色して穴をあけていきます。茎に感染すると内部を空洞にしてしまいます。これもまたあまり有効な防除手段はありませんが、高温多湿時に発生するようです。こういう病気には、雨水の土の跳ね返りを防ぐためにマルチが有効かもしれません。
褐斑病
葉が茶色くなる病斑ができはじめ、葉が巻いていきます。新芽は全部枯れていきます。
環紋葉枯病
環紋という名前のように葉が円状に灰褐色の枯れ葉模様になっていきます。一色の円形でなく、木の年輪のような模様が入っていることが特徴です。
炭疽病
実が熟し始めた頃にこの病気になります。実の表面に斑点を生じてへこみんできます。黒茶色の点が円状に発生します。一度かかると、腐敗して落果します。
疫病
葉、実で発生し、葉は褐色になり枯れていきます。病斑の上に白いカビが発生することもあります。実は黒く表面が覆われたようになります。土壌中に存在し、雨水の跳ね返りで伝染します。高温多湿の環境では注意が必要です。
黄化葉巻病
黄化葉巻病は、シルバーリーフコナジラミなどのコナジラミ類によって媒介されるウィルス性の病気です。葉が縮れて色が黄色というより、薄い緑色になり、ちりめん状になり、それまでの葉の感じとはあきらかに異なります。夏場の暑い時期に多く発生するようで、一度、感染すると、それ以降に花が咲いて実が着果することはありません。このため、トマトの生産地では大変な被害が出て苦しんでいるようです。ほぼ夏場になるとトマト栽培を終了するような家庭菜園であればあまり影響はないかもしれません。
これの被害があまりにひどくて、トマトの生産地がまるごと消えるかもしれません。それくらいひどいものです。また、防ぐ方法も完全に耐病性を持ったものは少なく、いまのトマトの品種のままではたちうちできません。これが現在のように生産品種がほとんど決められているような状況ではあっという間に壊滅的な被害を出してしまいます。何事もそうですが、画一的に同じものをたくさん密集させて生育させると、特有の病気が出てその種があっという間に絶滅してしまうということがあります。
モザイク病(CMV、TAV)
いくつかのウィルスによる病害が知られています。その種類により症状も異なります。正確にはかなり精密な検査が必要だと思われます。一度かかると、もうほとんど正常な成長は期待できません。モザイク病というのは、葉の表面がデコボコとして部分的に歪んでモザイク状になっていることからこの名前になっています。実にも影響が出て腐っていくことがあります。おもにアブラムシが媒介するとされています。アブラムシ防除に銀色のテープやマルチが有効なようです。
トマトの生理障害
尻腐れ果
これはトマトの生理障害の1つですが、トマトの実が緑色の時に実の下の部分が茶色く変色してきます。枯れているような感じにも見えます。腐っているというよりは、実の下の部分が枯れているという感じです。大きくなると下半分が全部茶色くなります。カリウムが欠乏しているために起こると言われています。これは主に乾燥により、根が栄養分を吸収できない状態になって起きているようです。
葉にカリウムを散布すると軽減されるということも言われていますが、あまり根本的な方法ではないかも知れません。やはり、乾燥させすぎないように注意するしかありません。マルチなどは地温を上げるためには有効ですが、保湿という点ではイメージと違いあまり有効ではありません。いくらビニールでおおったところで、夏場の高温時期には、結局、乾燥してしまうということです。また、マルチを貼ると根が浅くマルチと地面の表面ぎりぎりに張ってきたりします。これで逆に乾燥に弱くなったりもします。また、マルチの上を踏んで歩くのは根が痛むのでだめです。
裂果、実割れ
じつはこのトマトの実割れに結構苦しまされる場合が多いのではないかと思います。屋根付きのベランダですと、自動的にトマトの雨避け栽培になりますので、いい環境に成るのかもしれませんが、通常、雨がかかる場所で、特に、地面に植えている場合には非常に多く発生します。
また、ミニトマトよりも大玉トマトの場合に起こりうる確率が高くなるようです。それでも、品種でだいぶ割れにくい品種が多く、ほとんど割れない品種もあります。
通常の裂果は、天気が続いた日の後に急に夏の夕立があり、トマトの実に過剰な水分が供給されてしまい、成長が止まっている、成長が追いつかずに実が割れてしまうというものです。
赤くなり始めているトマトでは、糖分があり虫が寄ってきて腐ってしまうことが多いです。ごく初期の緑色のトマトの状態で割れたものは、再び、割れた場所が乾燥してふさがって成長を始めていくことがあります。家庭菜園の場合、腐らない限り、あえて取ることはしなくてもいいのかもしれません。
窒素過多、肥料過多
葉が緑がとても濃く、べこべこに反り返って、ピンと張らずに地面に向かって垂れ下がっています。茎も相当太くなっています。この場合、初期の基肥が多すぎたことが考えられます。
たい肥を使った有機栽培では、かなりの肥料を基肥して与えても枯れること無く栽培できます。そのため、このような限界まで肥料を吸わせた状態にすることができます。
これは、限界まで肥料を与えるほど、大きい実が付きますが、虫がつきやすく、病気にもかかりやすく、腐敗するリスクが高くなるのが通常です。そのような栽培でトマトを作るためには、ちゃんとした知識と経験が必要になってくるようです。
プロはちゃんと作れるのでしょうが、家庭菜園ではとにかく、虫にやられることが多くなると思います。実をかじられたりしてかなり大きいダメージを受けますので、あまり肥料を与えすぎるのはリスクがあります。
窒素不足、カリウム不足、マグネシウム不足
あまり、見ることはないと思いますが、化成肥料の過剰施肥や、土壌の湿度が異常に高い、土壌Phや、塩害、などで、根やけを起こして栄養吸収が滞って、このような不足症状がでることが多いです。
とくに葉が白くなる現象は根やけを起こすとすぐにみられます。
ほんとうに土壌中から栄養分がなくなってこれらの状態になっていることもありますが、判別はかなり難しいようです。また、そのような場合には即効性が求められますが、葉面散布なども含めてなるべく早く栄養を補給します。
しかし、そうなってしまった株に少しくらい補給して回復するのは、症状が軽い時だと思います。
病気以外の症状
実が傷つく
これは、枝を増やした場合に多く発生しますが、茎がたわんでいると、そこに肥大した実がぶつかり、さらに風が吹いて揺れることにより、実が傷ついていきます。表面の皮が傷つくと茶色くなり、成長がとまり皮が部分的にへこんだようになることもあります。
風による茎折れ
これは意外と、大きな被害をもたらす害として甘く見れません。特に、夏以降は台風が当たり前にくるので半分諦めているところもあります。ハウスではないので、風害はもろにうけることになります。このような露地栽培の場合には風をよけるための覆いがありません。
せめて、防虫ネットか、不織布を張っておくと多少は風の流れが変わるようです。特にトマトの場合は風に弱いです。意外とナスなどは木が硬く強風でもダメージは低いですのが、トマト、特に若いトマト、定植後から収穫前のトマトの茎は柔らかく、その後の収穫量に大きく影響します。
4月の春一番からの風は昔からありましたが、近年では台風がいつでもくるようになり、梅雨というより、雨期という感じになってしまいました。この梅雨前にくる台風が非常に強烈で、まだ、花が咲いたばかりのトマトを花芽や枝ごと、全てもぎとってくれます。
台風のあとはほんとうに愕然とします。全てのトマトがごっそり新芽がないわけですから。今まで、時間をかけてじっくり成長させた花芽もがくごとふっとんでいます。もう嫌になると思います。せっかく、綺麗にわき芽をつんで、1本仕立てにして主枝を伸ばして支柱に固定していたのに、それが災いして、固定された分、茎葉が折れやすく、1本のため復旧に時間がかかります。わき芽を伸ばして代理主枝とするのでしょうが、わき芽をあれほど必死に取り除いてしまったので、なかなかいいわき芽がありません。
トマトの病気の種類
トマトの病気一覧
トマトの病気は多数あり、現在、認識されている病気の一覧が分かります。ほとんど、ウィルスや細菌といった、目に見えない病原体の同定ということをして、トマトが何病だということが分かるのですが、ほとんど、個人が判断することは不可能だと思います。だいたい、見るからに病気ぽいので病気だということで騒いで終わってしまいます。
家庭菜園ではほとんど見ない病気が多いと思います。家庭菜園の愛好家が目にするのは、ほんのわずかな病気だけだということがわかります。
[ウィルスによる病気]
トマト葉巻病 、トマト黄化萎縮病 、トマト黄斑モザイク病 、トマトモザイク病 、トマト黄斑病、トマト黄化えそ病 、
トマト条斑病 、トマト葉脈透化病 、トマトウイルス病
ウィルスとは
ウイルスには細胞がなく、、遺伝子だけをもっていて、他の生物の細胞を利用して増殖することができるという、インフルエンザなどのようになじみがあるようなものです。一度かかると、細胞自体を変異させてしまい、増殖させていきますのでとまりません。
[細菌による病気]
トマト青枯病 、トマト萎黄病 、
トマト斑点細菌病 、トマト斑葉細菌病 、トマト黒斑細菌病 、
トマトかいよう病 、トマト軟腐病 、トマト茎えそ細菌病
細菌とは
葉緑体、ミトコンドリアをもたない、単細胞の微生物です。核膜のない原核生物です。二個に分裂して数を増やしていきます。
はじめのうちは、1つの細菌から2倍、4倍と増えていきますが、次第に途方も無い数の最近が増殖してしまいます。
[菌類による病気]
トマト黒斑病 、トマト萎ちょう病 、トマト褐斑病 、トマト疫病、トマト灰色かび病 、トマト葉かび病 、トマト輪紋病 、トマト炭そ病 、トマトうどんこ病 、
トマト菌核病 、
トマト円紋病 、
トマト葉腐病 、
トマト灰色疫病 、
トマト半身萎ちょう病 、
トマト斑点病 、
トマト変形菌病 、
トマト環紋葉枯病 、
トマト褐色腐敗病 、
トマト褐色根腐病 、
トマト苗立枯病 、
トマト黒点根腐病 、
トマト紅色根腐病 、
トマト茎腐病 、
トマト実腐病 、
トマト根腐病 、
トマト根腐疫病 、
トマト根腐萎ちょう病 、
トマトすすかび病 、
トマト輪状斑点病 、
トマト白星病 、
トマト白絹病 、
トマト白かび病 、
トマト小粒菌核病 、
トマト綿腐病 、
トマトアルターナリア茎枯病 、
トマトばらいろかび病
菌類とは
菌類とは、キノコやカビ、酵母などの生物です。トマトの病気の場合、糸状菌という菌類が病原体となっています。カビをイメージするとが分かりやすいと思います。じめじめとした高温多湿な環境を好むことが多いようです。好適条件をはずせばそれほど増殖することも無く、本来植物にはカビに対する抵抗力のようなものが備わっていて、植物が元気であればあまりカビが増殖するということはないようです。
日本は梅雨があるようにカビの多い国です。やはり、菌類による病気の種類が大変多いようです。
トマトの病気と対策
農薬と自然農薬
農薬は各メーカーから発売されています。また、使っていい野菜、使っていい回数、使っていい日などが厳密に決められています。これは各農薬メーカーの製品説明書の指示に従わなければいけません。何か問題が起きてしまったら大変です。
病気の種類によって、薬剤が決まっています。違う病気に薬剤散布をしても無駄になることがあるということです。そのため、厳密に分からない病気の場合、およそで決めて散布するしか無いのかもしれません。私はこのあたりが抵抗があり、ほとんどつかっていません。また、農薬で治せる病気もいくつかだと思います。
また、農薬には抵抗がある場合に自然農薬と言われる、薬ではないもので防除しようというものがあります。重曹、酢、唐辛子、木作酢、EM菌、焼酎、灰、その他多数のものが、病気や害虫対策に使われることがあるようです。
しかし、農薬の指定があり、重曹も農薬として扱われたりするようですし、木作酢なども様々な化学物質が入っています。これはその内容を厳密に調査していなくても販売されていますので、本当に無害かどうか?という疑問もあるようです。
トマトの病気の特徴
トマトの病気は、治療できないものも多くありますし、家庭で作られる場合には、農薬を使うには抵抗があると思います。気がついたら枯れていたということも多いと思います。また、多くの場合、ベランダや庭で日照量が確保できずに実が付かない、トマトが弱って病気になっていることがあります。被害を最小限に収めるために、環境改善、早期に部分的に除去、株の撤収などが考えられます。
トマトの病気には数多くの種類があります。トマトの葉に症状があらわれるもの、実に症状があらわれるもの、トマトの株全体に現れるもの様々なものがあります。トマトの病気には有効な農薬があまりないと考えたほうがいいかもしれません。例えば病気になったとしてもその病気になった環境が悪いのであって、薬で治せるということはあまりないように思います。また病気になってからでは農薬を使ったとしても収穫にはこぎ着けられないかもしれません。
そのようなこともありどちらかというと病気を出さない環境づくりがトマトの病気対策などとしては大事だと思います。有名なトマトの病気としては灰色カビ病や青枯れ病などというものがあります。灰色カビ病は文字通り葉っぱの表面に灰色のカビのようなものが付着してどんどんと弱ってくようなものです。これは日当たりが良くない風通しが悪い成長不良といった原因が考えられますので、そもそもこのような環境で育てることは好ましくありません。一時的にその灰色のものを消したとしても根本的な問題が解決していなければ、元気にはなりません。
また青枯れ病の場合はある朝突然、苗がしおれてしまって、かれてしまうので薬を使うという暇がありません。また青枯れ病に対して有効な農薬等はなく、もとから品種が青枯れ病に対して抵抗性を持っているかどうかということが一番重要だと思います。おそらく今現在問題となっているのはウイルス性のモザイク病や萎縮病などといったものであると思います。これらの病気はアブラムシや、コナジラミなどによって媒介されてしまいます。目に見えない位小さい虫ですから防除するのも大変に難しいといったところです。これらの病気も一度かかったら直すことができませんのでもとから抵抗性をもった品種を選ぶということが一番のポイントになってきます。
病気ではない症状
トマトの実がならないのは病気?
家庭菜園などで育てている場合に、トマトが病気なのではと疑われる現象としてトマトの実がならないということが一番多いと思います。これはトマトの葉が茂り過ぎたり、日光が当たっていなかったり、温度が高すぎたいといったことが原因であるために病気ではありません。トマトの葉が黄色くモザイク状に変色してきたらこれは治せない病気、モザイク病というものです。またトマトの葉がシワシワになってきたら萎縮病というものでこれも治すことができません。これらの病気にかかるということは個人的に栽培しているのであればほとんど目にすることはないと思います。
トマトが8月位になると暑さのために縮れてきて花が咲かなくなりますがこれは病気ではなく高温障害というものです。これらのことを全てトマトの病気として捉えている人が大変多いと思います。トマトの病気を出さないための対策として唯一できることとしては植え付ける場所の排水性を良くするということです。そしてあまり蒸れすぎないような環境をつくるということです。よくあるようなトマトのビニールハウスでは小さい虫が入らないように非常に目の細かいネットで防除していますが、個人的に栽培する場合にはそういったことは不可能だと思います。ですので、できることといえばそのような湿った環境作らないといった対策だと思います。
ただし夏場が近くなってくると今度は逆に乾燥し過ぎることによってトマトの下の方が黒くなってきます。これは病気ではなく生理現象なのですがトマトが水分を吸えなくなることによって、カリウムが欠乏してこのような状況になるということです。これはカリウムなどを転換したりあたえたりすることで回復をはかるという方法がとられますが、基本的には水が足りないということが大きいと思います。いずれにしても大変難しいことだと思いますので、一度発生してから対処したというのではあっという間に収穫の時期を逃してしまいます。トマトの病気の心配するのであれば日本で開発された病気に強いトマトを使うことをお勧めします。
トマトの病気の判断
病気の区別
トマトの病気の写真がありますが、個人的に撮影しても、実際にどの菌やウィルスが発生しているか調査しないと、決められませんので、なんとなく、これかもしれないと見当をつけるくらいしかできません。また、趣味ですので、前述のように回復不可能は何の病気かということはあまり問題にならないかもしれません。
例えば、以下の写真のトマトの葉についている黒い斑点のようなもの、これは何かと考えてもいまいちわかりません。
葉かび病、灰色かび病、黒斑病と疑ってみてもカビらしきものは見当たりませんし、違う感じがします。また、このようなものをよく目にするのですが、これといって重大な被害になったり葉が枯れたりすることもないので、ほんとうにちょっとしたなにかということで気にしていません。
こういう病巣をとって、研究所で分析してもらってこれはなんとかという菌が付着しているから、このトマトは病気だということを考えてもあまり個人の菜園では意味がないかと思われます。
病気になったトマトは適切に処理する。
また、逆にトマトの病気で怖いものに黄化葉巻病というものがあります。これは家庭菜園だから放置していいやということにもいかないようで、生産農家の畑へ伝染してしまい、ある地域一帯でトマトが壊滅的被害を受けてもう作れなくなってしまうかもということになるうるのです。これは個人の責任ですが、いい加減なことはやっていられません。家庭菜園でもこの病気がでたら他へ移さないように外部と遮断して廃棄するように行政からも指導がでているようです。それは食料生産をおびやかしてしまったら、いくら趣味が楽しいとはいえもともこうもうありません。
実際、このようなやっかいなトマトの病気というのは近年になってから発生したものが多く、決して家庭菜園の愛好家が病気を放置して広げたわけではありません。突然変異か、外国からの侵入といえるでしょう。そういった外国でトマトの病気を専門的に研究している日本の組織もあるくらいです。
ですので、いずれにせよ、致命的なもう収穫が望めない病気であるなら、そのトマトは抜いて廃棄することが最低限のマナーなのかと思います。また、畑を借りている人はなおさら、周りへの気配りだと思います。